個人事業主は知らないとヤバい税金の基礎知識

こんにちはTakaです。

私は法人の代表を務めながら個人事業主として事業を展開し、同じ個人事業主や法人のための支援活動をしています。

今回は個人事業主やフリーランスになったばかりの方へ向けて、税金の基礎知識を解説していきます。

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個人事業主は2年目の税金が大変!

テレビで芸人さんが大きな大会などで優勝して、急に仕事が入るようになってから「月収○○万円になりました!」などの話を聞くことがあると思います。

このような芸人さんは、その年は大きく稼いだことでウハウハかも知れませんが、来年支払う税金の金額を知った時に驚愕するケースが多いようです。

実は個人事業主やフリーランスになって稼げるようになった人も同じことが言え、次の年の税金には本当に注意が必要です。

会社員の場合はこれらの税金が給料から自動的に天引きされるので、あまり気にした事はないと思いますが、個人事業主になれば来年度の税金は自分で納める事になるので、最低限の知識を知ったうえでこれらの対策が必須となります。

今回は個人事業主に関連の強い各種の税金の基礎知識と仕組みを詳しく解説していきます。

今回は解説をより分かりやすくするために、あくまでも目安の数字を使って税金を計算しており、「○○円くらい稼ぐと来年支払う税金は○○円くらいになる」「〇〇円の場合は○○%の税金が発生する」という概算の金額を使って解説していきます。

個人事業主の税金の基礎知識

個人事業主も会社員も基本的な税金の仕組みは同じで、稼げば稼ぐほど支払う税金が高くなるという構造になっています。

上の図は会社員の年収と手取りを表した概算の金額例ですが、年収が上がるにつれて支払う税金の割合も大きくなり、年収5,000円という極端に高所得の人であれば、約半分が税金によって手取り額が減少するという現実があります。

個人事業主や法人の場合は上記の目安金額は必ずしも同じにはなりまりませんが、稼げば稼ぐほど税金の割合は高くなるという仕組みそのものは会社員でも個人事業主でも同じで、この税金を深く理解する事で不必要な税金を無駄に納めないような工夫が可能です。

税金を理解するために最低限知っておく重要なポイントは「売上」「経費」「所得」「控除」の3つです。

「売上」から「経費」を差し引いた金額が「所得」となり、この「所得」から「控除」を差し引いた金額が「課税所得」として、ここに税率が掛かるという基本的な構造を理解しておきましょう。

売上 ー 経費 = 所得
所得 ー 控除 = 課税所得

課税所得が増えれば支払う税金が増えて、逆に課税所得が減れば支払う税金も減ることになります。

経費とは仕事をするために使ったお金の事で、業務のために借り上げしている事務所があればその家賃や水道光熱費、移動のための車両の燃料代やメンテナンス代、備品などの購入費用、接待などの食事代など様々な種類があります。

個人事業主や法人の経験がそれなりにある方は、「経費で落とす」という言葉を良く口にしますが、これは仕事の仲間との食事代を経費として処理する事で課税所得が下げるという効果あります。(仕事以外のプライベートの食事代などは経費に出来ません。)

控除にもいくつか種類がありますが、今回は個人事業主と関連が強いものを一つずつ解説していきます。

Taka

個人事業主は「課税所得」を意識して節税を行います。

税金の種類

基本的な税金の仕組みを理解したところで次に個人事業主が支払う税金の種類について解説しますが、税金の種類にも様々なものがあります。

皆さんに関連の深い税金をリスト化したのが以下の表です。

「所得税」「住民税」「消費税」「社会保険料」「事業税」「予定納税」があり、個人事業主が納める税金は以外にも多く存在します。

会社員であれば所得税や住民税などが給料から天引きされるのであまり意識しないかも知れませんが、個人事業主はこれらの税金を自分の責任で納める必要があります。

基本的な税金の仕組みは会社員と同じという話をしましたが、「事業税」と「手予定納税」については個人事業主や自営業が支払う特有の税金となっており、意外と忘れがちになるので注意が必要です。

また、社会保険料は厳密に言えば税金ではありませんが、多くの国民には支払い義務があるので、今回は表に入れて解説しています。

各税金の支払うタイミング

各税金の支払いタイミングを以下の表にまとめました。

6月から11月までの期間については、税金の支払いタイミングがかなり増えるので、事前にしっかり把握していないとかなり後で痛い目に合う事になります。

実際に私も個人事業主になったばかりの時でしたが、それなりに稼いだ年は翌年の税金の納付書が届いて金額を見た時にかなり焦った記憶があります。

個人事業主が納める税金の種類と金額の目安

ここからは各種税金の種類と、稼ぐ金額によって納める金額の目安を解説します。

特にかなり稼ぐ個人事業主は2年目から高額の税金がいきなり発生しますので、その時になって慌てないように参考にして、次年度にしっかり備えてもらえればと思います。

所得税

まず所得税の税率ですが、所得に応じて5~45%という「累進課税方式」という方法が採用されており、所得が高ければ高いほど税率も高くなるのが所得税の特徴です。

この所得税率は、前項で解説した「課税所得」の金額に掛けられます。

売上がまだ少ない個人事業主や、売上が多くても経費や控除の額も大きくて最終的な課税所得が低い人は税率もひくいのですが、その一方で課税所得が4,000万円以上稼いでいる方であれば、45%の所得税が発生する事になります。

課税所得が400万円の個人事業主の場合、

400万円 × 20% – 42万7,500円 = 37万2,500円

という計算式になるので、372,500円が来年度に納める所得税となります。

ちなみに、所得税率の表の一番右にある「控除額」は、所得税の速算表といって、各課税所得に合わせた控除額の合計値を一目で確認できるようになっています。

Taka

所得税の速算表については複雑になるので、今回は解説を省略しますが、例えば先ほどの例で課税所得が400万円稼ぐ個人事業主の場合、表から「330万円超え、695万円以下」を参照して所得税の控除額の合計は「427,500円」と速算できます。

住民税

住民税の税率は一律で10%となっており、所得税と同じく課税所得をもとに計算します。

住民税は所得税のような累進課税ではなく、課税所得が100万円の場合は支払う税金は10万円となるシンプルな計算方法で算出できます。

消費税

個人事業主が忘れてはならない税金のひとつが消費税です。

個人事業主は受けた仕事をこなして報酬を受け取る時や、商品を販売して販売代金を受け取る時などに、販売代金に消費税を合わせて一緒に受け取ります。

例えば、1,000円のものをお客さんに販売した場合、お客さんは消費税が10%を合わせて1,100円を支払いします。

消費税として受け取った100円は自分の収入ではなく、国に納めるべき税金なので、個人事業主が一時的に預かっているお金となります。

つまり、お客さんが個人事業主であるあなたに支払った消費税の100円は、個人事業主が代わりに国に納める事になります。

メーカー、卸売り、小売りなどの販売経路がある場合はもうすこ計算が複雑になりますが、基本的な考え方としては、事業主が消費税を預かっているだけで最終的には国に納める義務があります。

2021年11月現在の消費税の税率は10%なので、売上げに対して10%課税される事になり、この金額の大きさを把握しないで、売上だと認識してしまうと後で痛い目を見る事になるので注意が必要です。

全前年の売上が1,000万円を超えた個人事業主であれば、この消費税を3月31日までにまとめて納付をします。

社会保険料(国民健康保険、国民年金)

社会保険料は厳密に言えば税金ではありませんが、実質的に税金と同じように多くの国民は支払の義務があり、しかも金額としてもそれなりに大きいため個人事業主にとっては無視できない費用となります。

社会保険は「国民健康保険」「国民年金」「厚生年金保険」「健康保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」などを総称した名前ですが、今回は個人事業主に関連がある国民健康保険と国民年金に関して簡単に解説しています。

また、税率は家族構成や地域によって金額に違いがあり、一概にいくらとは言えませんが目安としては所得の10%程度と考えておけば大丈夫です。

このうち国民年金の保険料は会社員も個人事業主も全ての国民が一律となっていますが、令和3年度は月額16,610円を納める事になります。(この保険料は毎年見直されます。)

詳しい社会保険料の金額を計算したい場合は、分かりやすくまとめてある記事があったので、以下のリンクにてご確認ください。実際の保険料の金額をシミュレーションできます。

ピックアップ

個人事業主 税金/社会保険料計算シュミレーション⇩
http://jigyou-tax.hajime888.com/j07.html

事業税

事業税は一定の条件を満たした個人事業主や自営業者の事業に掛かる税金の事で、業種により3~5%の税率が課税所得に掛けられて計算します。

課税所得が300万円の場合、最大で15万円の事業税が発生しますが、課税所得が290万円以下の場合は事業税が免除されるようになっています。

以下の表は業種を70種類に分類して事業税の税率をまとめた表になりますが、この事業税の税率が課税所得に掛けられて金額が計算されます。

経理COMPASSから引用

これ以外の業種については事業税が免除されています。

参照:東京都主税局「個人事業税」

予定納税

「予定納税」は所得税を前払いする制度のことです。

計算方法は昨年の支払った所得税の合計額に対して3分の2の金額を7月と11月に分けて納める事なります。

昨年の確定申告時に所得税を30万円支払っていた場合は、その3分の2である20万円を前もって納めるという少し厄介な制度です。

昨年は儲かったけど今年は業績が悪くなったという方に対しても、この支払は発生するので注意しておく事が必要です。

ただしあくまでも予定納税ですので、今年の業績が悪くなり支払う所得税が予定よりも少なくなる場合、支払過ぎた所得税は申告する事で還付されます。

最終的には支払う税金とはいえ、先払いをしなければならないこの制度のために、ある程度の手元資金を準備しておく必要があります。

Taka

「予定納税」は本当にやっかいな制度です。国が税金を取りはぐれないように先払いする仕組みですが、2020年の新型コロナの影響で業績が落ちても容赦なしに請求が来ます。

この制度はもう少し何とかして欲しいものです。

個人事業主が出来る最強の節税対策は?

会社員の場合は税金も保険料も給料から天引きされるので、あまり意識してなかったと思いますが、個人事業主になると税金と保険料を支払うという現実を目の当たりにする事になります。

稼げば稼ぐほど金額も大きくなり納付書の多さに嫌気が来る個人事業主も多いはずです。

そのため個人事業主はしっかり稼いで利益を出しつつも、手元の現金はしっかり確保しておく事が求められます。

そこで個人事業主が出来る節税方法としては、大きく2つあります。

  • 経費を増やして所得を減らす
  • 控除を増やして課税所得を減らす

この2つを知る事で効果的に所得や課税所得を減らす事ができて、最終的に納める税金を安くする事が出来ます。

経費を増やして所得を減らす

支払う税金を減らすために、出来るだけ経費を増やして所得を減らす方法があります。

個人事業主であれば今住んでいる家の家賃や水道光熱費の一部を経費として計算する事が出来ます。

もちろんですが、家賃の一部を経費にできるのは個人事業主として自宅で仕事する場合のみが対象なので、自宅とは別に事務所で仕事をしている場合や、自宅を仕事場として全く使用していない場合は対象外です。

それ以外にも水道光熱費や仕事関連の人と打ち合わせをする時の食事代なども経費として処理できます。

どの費用をどのくらいの割合で経費とするかについては、実のところ正解は無く税理士よっても意見は様々です。

少なくともその費用が事業に関連する費用であり、誰が見ても合理性がある範囲に限られるのは言うまでもありません。

例えば50㎡のアパートに住んでいて、50㎡のうち15㎡は完全に仕事のための部屋に使用している場合は、30%が仕事用のためのスペースなので家賃の3割を経費として計算するなどが合理的な計算方法といえます。

上の例は家賃が月50,000円の賃貸に住んでいる個人事業主ですが、50㎡の面積のうち15㎡を仕事場として使用しているため、50,000円の30%である15,000円を経費として処理しています。

このように誰が見ても納得できる割合までが合理的な範囲といえますが、家賃の一部を経費にする場合は一般的に2~3割を経費しているケースが多いようです。

控除を増やして課税所得を減らす

税金を減らす方法の2つ目は控除をできるだけ増やすして課税所得を減らす事です。

具体的には「小規模企業共済」「国民年金基金」「個人型確定拠出年金(iDeCo)」などがあります。

ピックアップ

・「小規模企業共済」に加入する
・「iDeCo(イデコ)」で資産運用をする

個人事業主は会社員と違って厚生年金や企業年金がありませんので、それを補う制度が上記のような制度です。

自分の老後のためにお金を積み立てる制度ですが、積み立てる掛金は所得控除になるので、その分だけ課税所得を減らす事で税金を安くすることが出来ます。

それぞれの制度には大きな節税のメリットがある一方でデメリットもあるので、関連記事をご確認いただき検討してください。

★小規模企業共済。国民年金基金、iDeCoの記事とリンクを作成

まとめ

今回は個人事業主が知っておくべき各税金の基礎知識と、2年目から発生するこれらの税金の目安金額について解説しました。

いざ独立してたくさんお金を稼ごうと思って仕事を一生懸命に頑張っても、2年目からは納付する税金の多さが足枷になる場合もあるので、支払う税金の目安を事前に知っておいて必要な資金を手元に確保しておくのが良いでしょう。

私たちはこういった個人事業主の方に対して節税のアドバイスをしています。

また、すぐに稼げるお仕事の紹介もしていますので、気になる方は気軽にご連絡ください。

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