個人事業主はつみたてNISAで資産運用するべき?

こんにちは、Takaです。

今回は「NISA」について解説していきます。

名前は聞いたことあるけど、実は良く分かっていないという人のために詳しく解説して、個人事業主はNISAをやった方が良いのかという事についても私の意見を述べたいと思います。

今回はNISAについての概要などを解説していきますが、より詳しい内容や最新情報を知りたい方は金融庁ホームページにてご確認ください。

NISAとは

「NISA」は「Nippon Individual Saving Account」の頭文字を取って作られた造語です。

日本語で訳すると「少額投資非課税制度」という名前ですが、一般的に「NISA(ニーサ)」の名前で親しまれている事が多いです。

NISAは難しい英語と漢字の羅列ですが、単語を分解して考えると理解しやすくなります。

文字の通り、少額の投資を非課税で行えるようにした制度が「NISA」の概要です。

「非課税」という言葉を聞いてワクワクする個人事業主の方もも多いのではないでしょうか。

その理由は個人事業主の皆さんは税金の悩みが尽きない人種だからだと思います。

NISAのような非課税制度にはもってこいの制度といえます。

通常、証券口座で株式・債券・投資信託などを運用する時の利益には20.315%の税金が掛かりますが、NISA口座を利用して運用する場合にはこれらの税金が掛からないという制度になっています。

NISA制度は2014年1月に誕生し、もともとは「一般NISA」だけでした。

その後、より長期的な資産形成を促す目的で「つみたてNISA」が2018年1月から制度改正によって追加で設けられています。

NISAが利用できるのは、日本に住んでいる20歳以上となっており、国民1人が持てる口座は「一般NISA」か「つみたてNISA」のどちらか一つだけとなっています。

Taka

個人事業主は節税にいつも頭を悩ましているので、NISAを活用するのは賢い選択です。

NISAの種類

2021年12月現在のNISAには「一般NISA」「新NISA」と「つみたてNISA」の3つの口座がありますが、これらの違いをまとめたのが以下の表です。

Taka

「新NISA」は2024年1月から「一般NISA」の改定として導入される予定です。
新しくなる新NISAについては後で詳しく解説します。

通常、投資によって得られた利益には所得税と住民税を合計した20.315%の税金が発生します。

例えば100,000万円の株式に投資をして10,000円の利益が出た場合を考えます。

この10,000円の利益には20.315%の税金が発生し、最終的に受け取れるのは7,968円となってしまいます。

しかしNISA口座を利用して発生した運用益には税金が掛からず、10,000円を全て受け取る事が出来るという仕組みになっています。

一般NISAの特徴は、年間120万円の投資枠の中であれば何回でも売買ができ、購入できる金融商品の種類も豊富なので短期的に利益を出すようなトレーダーなど、投資上級者向きの制度とも言われています。

その一方で、つみたてNISAの投資枠は年間で40万円までですが、非課税期間が最長で20年間もあるので、40万円×20年間で合計800万円が非課税で運用出来ます。

つみたてNISAは長期的な投資が可能な投資初心者向きといえます。

特に、つみたてNISAで購入できる商品は、金融庁が手数料や運用成績などを厳しくチェックした商品だけがラインナップされているので、投資初心者でも商品選びで失敗することが少ない事が特徴です。

NISAについての良くある勘違い

NISAの制度について良く勘違いしやすいのが、つみたてNISAの年間非課税枠が40万円という内容を、「40万円投資をして利益が出て40万円を超えた場合、超えた分は税金が発生する。」という事ですが、これは間違いです。

例えば40万円まで投資をして、投資額40万円プラス10万円の利益が出たとします。

この場合の資産残高は40万円+10万円で50万円になりますが、これらは全て非課税です。

つまりどれだけ利益が出たとしても、もともとの投資額は40万円なので、そこから出る利益には税金は掛かりません。

法改正で「一般NISA」が「新NISA」に変更される 2024年1月~

金融庁の報告によるとNISAの利用者は年々増加傾向にあり、2021年3月末時点の口座開設数は以下のようになっています。

NISA口座開設数(金融庁より)
  • 一般NISA:1,200万5,057口座
  • つみたてNISA:361万5,075口座

このデータから見て分かるように、かなり多くの人がNISA制度を利用してお得に資産運用をしている事が伺えます。

この人気の流れを受けて、2024年1月からは一般NISAが「新NISA」へ制度が変更される事が計画されています。

現在の一般NISAでは年間非課税枠が120万円で最大5年間利用できる制度でしたが、新NISAでは非課税枠を「1階部分」と「2階部分」に分けられてそれぞれ非課税枠も設けられます。

最大非課税枠は1階と2階部分を合計すると122万円になるので、従来の一般NISAよりは多少増えますが、大きな変更点はまずは1階部分を使用していないと2階部分が利用できないという点です。

また、1階部分で購入できる金融商品は制限がされており、つみたてNISAで購入できる商品がメインとなっています。

しかも、新NISAの1階部分については、積み立てでの投資をする方法で投資する事が条件となっております。

新NISA、改正部分の要点
  1. 新NISAは1階と2階部分に分かれる。
  2. 1階部分を利用しないと、2階部分を利用出来ない。
  3. 1階部分は積み立て投資のみとして利用できる。
  4. 1階部分で購入できる金融商品は、つみたてNISAとほぼ同じ商品のみ購入可能。

今まで一般NISAを利用していた人からすると、使いづらくなるなどの意見もあります。

ただし、この1階部分の利用の条件には例外もあり、今まで投資経験がある人は1階部分の利用の必須条件を免除する事もできます。

Taka

いままでの一般NISAと比較して、新NISAはまだまだ複雑です。
もっと詳しく知りたい方は金融庁ホームページをご確認ください。

NISAのメリット

最初にも解説したように、NISA口座を使って資産運用する最大のメリットは、分配金や売買益の運用益が非課税である事です。

私が個人事業主におすすめしているつみたてNISAは、長期的な運用をするために制度設計がされているので、結婚や出産、住宅の購入などまとまった資金が必要になる時の人生設計のための手段として利用するのが良いでしょう。

NISA制度の非課税がどのくらいすごいかを比較するために、以下のグラフを用意しました。

このグラフは初期投資額を100万円を20年間、年利回りが3%で複利運用した場合の結果ですが、20年後に受け取れる金額には40万円以上の差が生まれています。

実際、つみたてNISAで運用できるのは20年間で最大800万円になるので、より金額の差は大きくなり、この制度の節税効果が高い事が理解できると思います。

Taka

資産運用をしたいのであれば、まずは「つみたてNISA」から行うのがおすすめです。

NISAのデメリット

税金面ではメリットが高いNISAですが、この制度のデメリットについては以下のようなものがあります。(一般NISAとつみたてNISA共通のデメリットを紹介しています。)

NISAのデメリット
  1. NISA口座はひとり1口座まで(一般NISAかつみたてNISAのどちらか1つのみ)
  2. NISA口座で購入できる金融商品は限られている
  3. NISA口座には投資上限額がある
  4. 元本の保証がない

これらはデメリットという程でもありませんが、お得な制度にはリスクも付き物なので一つずつ詳しく解説をしていきます。

① NISA口座はひとり1口座まで(一般NISAかつみたてNISAのどちらか1つのみ)

現行のNISA制度においては、口座を開設できるのは1人につき1口座までとなっており、一般NISAかつみたてNISAのどちらか一つしか利用できません。

投資をやった事がない初心者の方は、一般NISAかつみたてNISAかどちらを選択すべきか悩むことも多いと思います。

どちらか決められない場合、とりあえずつみたてNISAを選んでおけば問題ないでしょう。

NISA口座を開設する時の金融機関は自分で選択する事が出来ます。

町の銀行や証券会社でも開設が出来ますが、ここ数年でシェアの伸ばしているネット証券がおすすめです。

どの金融機関で口座を開設するかも割と重要で、証券会社によってサービスの内容やポイント還元などが各社で違います。

ポイント還元を受けたり、ポイントで投資が出来る「楽天証券」か「SBI証券」などがおすすめです。

もしNISAで運用している途中で金融機関を変更したい場合は、1年単位で変更する事も可能ですが、その際には手数料や手間も掛かるので注意が必要です。

② NISA口座で購入できる金融商品は限られている

投資の世界での金融資産の種類は様々なものがありますが、NISAで購入できる金融商品は主に以下のものが対象となります。

NISAで購入できる金融商品
  • 投資信託
  • 国内・海外の株式
  • 国内・海外の*ETF
  • 国内・海外の*REIT など

*ETF:上場投資信託
*REIT:不動産投資信託

一般NISAとつみたてNISAで購入できる商品には若干の違いがあります。

一般NISAでは上記の商品を購入する事が出来て、つみたてNISAでは投資信託のみが購入可能となります。

金融庁NISA特設ページから引用

購入する商品にはそれぞれリスクとリターンの特徴があり、リターンが高ければリスクも高くなる傾向にあります。

自分の投資スタイルに合った商品を選択する必要がありますが、一般的に言われている各商品のリスクとリターンは、国内債券 ⇒ 外国債券 ⇒ 国内株式or国内REIT ⇒ 外国株式or外国REITの順番に高くなります。

③ NISA口座には投資上限額がある

個人事業主は節税に目が無いくらい、毎日税金との戦いという人もいるかと思います。

そのため「非課税制度を使ってたくさん投資したい」と考える人もいると思いますが、NISA口座で投資出来る金額には上限があります。

上の表は最初に紹介したものと同じですが、一般NISAは年間120万円まで、つみたてNISAは年間40万円までと制限されています。

つみたてNISAの方が期間が長いので非課税枠の総額で比較すると、つみたてNISAに軍配が上がります。

④元本の保証がない

NISAで資産運用することは、「投資」をする事と同じことです。

つまり、投資元本は保証されてはおらず、運用成績によっては損失が出る場合があります。

これが理由で投資を始める一歩が踏み出せない人が多いようですが、これに関して金融庁は「長期・積立・分散」を徹底する事でリスクを最小限に抑えながらある程度の運用成績を期待できると言っています。

実際の世界の株式の過去200年のデータを見てみると、株価は長期間右肩上がりを続けており、最初に1ドルだけ投資したとしたら現在は約60万ドル(6,000万円以上)にまで増えているという実績もあります。

ジェレミー・シーゲル/日経BP出版から引用

この200年の間には「世界金融危機」や「ITバブル崩壊」など様々な経済危機があったのにも関わらず、年あたりの平均の利回りが約7%となっており、世界の経済はそれに伴って成長を遂げています。

短期間だけで見ると株価は増えたり減ったりしますが、長期的には右肩上がりになっているという歴史があります。

Taka

将来に渡ってこの成績を出し続ける事は約束出来ませんが、世界経済の成長の期待値はかなり高いと言えそうでうね。

個人事業主はNISAをやるべき?

私のお客さんから「個人事業主ってNISAをやった方が良いの?」という質問を良くいただきます。

この疑問に関して、私の意見は「個人事業主に限らず全ての日本人はNISAをやった方がいい!」という事です。

近年は資産運用が一種のブームとなるくらい多くの人が投資を始めており、証券会社の口座開設数も右肩上がりの状況となっています。

この背景には、少子高齢化や労働人口の減少など日本の抱える社会問題が、老後生活の不安を招いている事が影響しています。

その一方では銀行の金利はかなり低く、100万円を預けても1年間でわずか数十円程度の利息にしかならないという現状です。

NISAを上手く使えば、年間3~5%程度の利回りを出す事も全然不可能ではないので、こういった制度は出来るだけ活用する方が良いというのが私の意見です。

個人事業主に限らず多くの人にNISAを知ってもらい、資産運用を全ての国民の習慣化に出来れば、もっと明るい未来が来ると信じています。

Taka

投資は自己責任ですが、しっかり勉強さえすれば将来高いリターンを期待できます。

まとめ

ここまでNISAの特徴や口座の違いについて解説してきました。

NISA口座の違いと制度のポイントを再度おさらいしておきます。

NISA制度のポイント
  • 最大のメリットは「運用益が非課税」
  • 1人1口座まで開設が可能
  • 初心者には「つみたてNISA」がおすすめ
  • 一般NISAは2024年に制度改正もあり

NISAについてもっと詳しく知りたい方や、口座開設を検討している方は金融庁NISA特設ページを参照してみると良いと思います。

また、私は個人事業主やフリーランス向けのコンサルタントを行っていますので、仕事を探している方やもっと他の節税方法を知りたい方は気軽にコンタクトフォームへ連絡をください。

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